かねてより注目していました、全ての原料原産地表示の義務化における、消費者委員会の答申が本日(8月10日)付けで、内閣総理大臣に答申が出されました。
表示の方法などの詳細は前回の記事「新しい原料原産地表示について、消費者委員会から内閣総理大臣に向けての答申案」でお伝えしましたが、今回の答申では、「諮問された食品表示基準案を適当とする前提条件」として、多くの注文がついています。
- 消費者・事業者の理解状況に関する目標値を設定すること。
- 消費者への普及・啓発
- 事業者への周知
- 事業者向けQ&Aの充実
- 経過措置期間中の周知状況に関する状況把握・分析
- 監視
- 別表第十五への品目の追加基準の明確化
- 例外表示の検証
- 理解度調査などの実施
- 制度の見直し
特に最後の「10.制度の見直し」については、全ての加工食品を対象としたことによって、複雑な制度となっており、様々なメリットデメリットがあるため経過措置期間終了から2年後を目安として、調査分析を元に制度の拡大や廃止も含めて見直しを実施することとされました。
また、別に付帯意見もあり、今回の答申が必ずしも満場一致ではなく、多くの課題を抱えていることを表しています。
国際的に見ても、全ての加工食品に対しての原料原産地表示の義務化はほとんど類例がないため、消費者庁はそれらにも対応する必要があります。
そこまでして、実施する必要があるのかという疑問符がつきますが、基準として定められる以上、食品表示に関係する事業者はミスの無いように対応しなければなりません。
まずは、消費者庁が発表する改正食品表示基準、食品表示基準Q&Aを待ちたいと思います。