食品表示の一元化において、議論が積み残されていた遺伝子組換え表示制度に対しての検討会が進んでいます。
9月14日に行われた検討会での議論を見ていきます。
議論の論点として
表示義務の対象範囲のうち、
論点1 対象品目
論点2 対象原材料の範囲
そして、表示方法のうち
論点3 遺伝子組換え表示の方法
論点4 遺伝子組換えでない表示のための要件
これらを検討材料として
1、消費者
2、事業者
3、分析の専門家
で話し合われています。
論点1 対象品目
消費者 知りたい要望に応えて品目を拡大するべき
事業者 検証ができないものに品目を拡大するのは控えるべき
分析者 事業者とほぼ同じ
結果 基本的には現在の制度を維持していく方向へ
論点2 対象原材料の範囲
消費者 対象となる上位3位・5%以上をさらに下げるか全ての食品に拡大するべき
事業者 個食化が進んでいる現在では、表示が増えすぎる
分析者 検証可能性も考えると現状で良いのではないか
結果 基本的には現在の制度を維持していく方向へ
あとは次回以降に議論
まとめ
基本的には現状を維持していく方向へ進んでいますね。
やはり事業者側は、急速に進む個食化への対応を考えると、表示スペース上の問題が大きくなりますし、表示が増えることでかえってアレルゲンなど、安全性に関する情報が見にくくなるのではないかという意見もあります。
さらに、事業者側としては「また表示ルールが変わるのか・・・」という不安もあります。
そもそも遺伝子組換え食品に対する表示は、アレルゲンのような「食の安全性」のために行う表示ではありませんので、優先順位としては若干下がります。
消費者側としては、遺伝子組換えが混入しているならば「買わない」という選択をする目的が主となりますので、どちらかというと感情論になります。
一方で事業者、分析者としては科学的根拠を主と考えますので、どうしても議論が拮抗してしまいます。
しかし、「遺伝子組換え不分別」では消費者には分かりにくいのも確かです。
今後、表示の方法も議論が進みますので、注視していきたいと思います。