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「新たな原料原産地表示制度」の表示方法

表示対象となる原材料

「新たな原料原産地表示制度」の対象にならない食品でも解説しましたが、義務として表示対象となる原材料は原材料欄の最初にくる原材料(表示順位第1位)のものだけです。
第2位以降の原材料についても、原料原産地を表示することができますが、優良誤認にあたらないように表示する必要があります。

例えば、
小麦粉100g、砂糖60g、バター50g、卵25gを使用したクッキー①の場合

●原材料名:小麦粉(国内製造)、砂糖、バター、卵

となります。加工食品の場合、対象原材料に占める重量割合が最も高い生鮮食品までさかのぼって表示することもできますので、

●原材料名:小麦粉(小麦(アメリカ産))、砂糖、バター、卵

と表示することも可能です。(小麦粉が国内製造で、小麦がアメリカ産の場合)


次に、複合原材料であって単に混合しただけのもの等は、食品表示基準において分割して表示できることとされており、表示方法がいろいろ変わります。
例えば、
ミックス粉(小麦粉と砂糖のミックス)160g、バター50g、卵25gを使用したクッキー②の場合

●原材料名:菓子用ミックス粉(小麦粉、砂糖)(国内製造)、バター、卵
又は
●原材料名:小麦粉(国内製造)、砂糖、バター、卵
又は
●原材料名:小麦粉(小麦(アメリカ産))、砂糖、バター、卵

となります。(ミックス粉、小麦粉が国内製造で、小麦がアメリカ産の場合)


次に、野菜(たまねぎ、にんじん、じゃがいも)のように同種のものをまとめて表示している場合は、注意が必要です。
例えば、
豚肉100g、たまねぎ80g、にんじん50g、じゃがいも40gの場合は、

●原材料名:豚肉(国産)、たまねぎ、にんじん、じゃがいも

となりますが、同種をまとめると

原材料名:野菜(たまねぎ、にんじん、じゃがいも)、豚肉

となります。しかし、この場合野菜が重量順第1位ですが、原料原産地表示が義務となるのは、豚肉になります。
したがって

●原材料名:野菜(たまねぎ、にんじん、じゃがいも)、豚肉(国産)

このように表示する必要があります。
最終的には、どの原材料が表示対象になるかは個別に判断する必要があります。

表示の方法

表示の方法については、上のように「原材料の名称(産地等)」を表示する方法でもいいですし、
原料原産地の事項欄を設けて表示しても良いです。
例えば、上記クッキー①の場合
原材料名:小麦粉、砂糖、バター、卵
原料原産地:国内製造(小麦粉)

と表示ができます。

「又は」表示「大くくり表示」については次回以降で解説します。

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プロフィール

株式会社まわた 取締役 田添正治 洋菓子製造1級技能士として15年間洋菓子店を営み、100以上の食品表示を作成してきた経験と持ち前の探究心から、消費者庁が公示する食品表示基準等から食品表示を読み解く。「徹底的に基本を大切にし、まっすぐ生き抜く」という理念のもと、分かりやすく基本を丁寧に解説することに定評がある。 食品表示に悩む人からは「調べるほどに分からなくなる表示がやっと理解できた」「実務を含んでいたおかげで間違いに気がついた」と評価される。 6次産業化で人材育成が必要な地域と共にプログラムを組み、全10回延べ150人を超える受講者へむけ特別講習会を実施。さらに人々の意見をまとめ上げ次のステップ新製品開発へと進めるなどその人材育成手腕を発揮。「わくわくする講習会」「なんとしてでもこの製品を完成させたい!」と参加者の声がある。

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