前回の記事、新しい原料原産地表示の改正ポイント(未確定です)で取り上げた、新しい原料原産地表示の改正議論が進み、パブリックコメントには8000件を超える意見があつまり、関心の高さを表しています。

今の主な議論は、

  • 可能性表示、大括り表示、大括り表示+可能性表示
  • 誤認防止策、おにぎりののり、業務用加工食品、業務用生鮮食品
  • 監視体制、普及・啓発、国際整合性、インターネット表示
  • 経過措置期間

ほぼ全部なんですけど(笑)

可能性表示、大括り表示、大括り表示+可能性表示

説明会でも紛糾した、可能性表示や大括り表示に関しては様々な意見が出されて、委員の中でも意見が割れているようです。
可能性表示はこれまで消費者庁として、例えば「アレルゲンを含む可能性がある表示は認められない。」としてきているのに、原料原産地表示では認めるのかという疑問があり、表示制度として進んでいるのか後退しているのか分からないところもありますね。

また、TPPが無くなってしまったことも、この原料原産地表示制度へ大きく影響を及ぼしています。

おにぎりののり

これは相当関心が高いようです。
ポイントとしては、海苔の原料原産地表示の方法が、「のり(国産)」なのか、「のり(原そう(国産))」とするかで、意味が変わってくるという問題もありますので、こちらも議論が進められています。

確かに、コンビニおにぎりにお世話になることが多い日本人には、お米の産地と海苔の産地は重要な情報です。
この海苔が、加工食品としての海苔として加工地が国産か、加工食品とみなさず海苔が獲れた場所が国産なのか、という違いが出てくると欲しい情報との整合性が取れるのかという問題になります。

普及啓発

これが一番難しいところですね。
正直消費者の皆さんに、この食品表示制度を正確に深く理解することは難しいと考えています。
なぜなら「非常にややこしい」から。
消費者庁には、これをどこまでわかりやすく説明できるかが、課題ですね。

また、事業者側の立場として、大手企業であれば専門職が理解し新表示に対応が「できる」か「できない」かという議論になりますが、
中小企業では新たに食品表示法、新しい原料原産地表示が加わった時、「理解ができない」という問題に直面してしまいます。

実際これまでの表示でも間違いが多いのに、新しく対応できるのか、これも消費者庁に大きな責任があります。

経過措置

さて、事業者側として最も気になるのがこの経過措置期間です。

消費者庁としては、食品表示基準の経過措置終了と同時に義務化を目指していましたが、この消費者委員会の結論としては「加工食品の本制度の経過措置期間は5年程度が適当である」となり、別枠で経過措置期間が設けられることになるかもしれません。

一安心でありますが、二重の経過措置期間が設定されることで、また新たな混乱をきたすことも考えられるので、非常に難しくなってしまいました。

 

この制度の結論まではもうすぐです。

以上、ざっくりではありますが、注意深く情報を追っていきたいと思います。

このページについて
新しい原料原産地表示の改正についての消費者委員会の議論
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新しい原料原産地表示の改正についての消費者委員会の議論
記事の内容
新しい原料原産地表示の改正についての消費者委員会の議論について
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記事の提供元
chefplus.net